じっくりと見つめてしまう
その絶対的な芸術の前では、足を止めてしまう。
なぜヒトは、芸術に触れようとするのか。
芸術とは興味。興味は人それぞれ。美しさ、テクニカル、エロティック、心情。
興味があれば、足を止める。
ただ、それが持続するとは限らない。芸術の世界では、持続しない興味は、ヤスッっぽいとされる。
では、持続する興味、その芸術とはなんだろう。
ヒトは、分からない問いがあると、そこで分かりたいという欲求が出てくる。
分かってしまうものは、それ以上の興味をそそらない。テクニカルでも、分かりやすければ、飽きられる。
分からないもの、あり得ないもの、奇妙なもの、不愉快、不快、心地よくないものは、ヒトが分かり得ない事の証明。
岡本太郎さんの、芸術は心地よくあってはならないは、ヒトの究極をとらえている。
興味をそそる素材に、それを表現するテクニック、そして見る人間がすべてを分かり得ない、ナニかが加われば、究極の芸術は出来上がる。
ナニかは何でもいい。でも、分かられてはイケナイ。より深く、より奇妙に、より要素を増やし、それでパッと見は分かりやすいようであれば、ヒトは足を止める。
じっくりと見つめてしまう。なぜなら分からないから。それが究極の芸術。
作品からの、見る人への問いかけ。絶対理解できない、隠れた要素。究極の芸術にはそれが必要。