みん
愛国心はどうして使われるのだろう。
その全部を、説明したい。
愛国心には、二つの効用があり、その一つの対象が民。
先頃、大阪維新の会が、教育基本条例案を出した。
この中に、愛国心という表現がある。なぜ愛国心という言葉が入っているのかを、知って頂きたい。
大阪維新の会が出した、この教育基本条例案は、とてもバランスがとれている。
一見しても、またよく見たとしても、問題がないと思わせるほど、よく出来ている。
内容は、「我が国及び郷土の伝統と文化を深く理解し、愛国心及び郷土を愛する心にあふれるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てる」というもの。
他国を尊重しや、国際社会の平和と発展にと言う言葉がついているので、愛国心の効用の一つは否定されている。
愛国心の効用は二つ。一つが他国に攻撃を仕掛ける時。その時には、兵隊が必要になる。
その兵隊づくりと、戦争に意識を向けさせるのに、愛国心はとても有効になる。
ただ、大阪維新の会は、コレは否定している。他国を尊重し、という言葉がそれを示している。
では、維新の会の狙いは何か。コレは愛国心のもう一つの効用。
大阪維新の会が提出した条例を、もう一度見て欲しい。
使われている言葉は、国、郷土、他国、国際社会となっている。つまり民、ヒトの単位では、書かれていない。
実はここが一番重要で、愛国心の一つの効用がそこにある。
つまりは、自分たちの考えに反対するモノを、力ずくで弾圧するという効用。
愛国心の愛も、国も、心も、全て概念。ハッキリと説明出来るようなモノではない。
とすると、あらゆる解釈が出来る。つまりは、かなり好き勝手に解釈し、イイなりに出来るというコト。
そして、実際に使う時は、自分たちのイイなりにならない者を、力ずくで弾圧し、排除するコトになる。
コレはどこの国でもやっている。とくに戦時下においては、戦争の方向に向かわせないとイケない。
その時邪魔となるのが、反対勢力。コレを潰す為に、愛国心を使い排除する。つまりは統制をするコトになる。
戦時下では、敵国を攻撃するのと同時に、自国の反対勢力も攻撃し、戦争を成立させる。
民主主義では、この統制という反対勢力への弾圧を防ぐ仕掛けとして、個人の思想の自由を用意している。
統制というのは、よく行われるので、それをさせない為に思想の自由を仕掛けている。
思想の自由と言っても、教科書で習うだけなので、みんな本当の意味を知らないのだと思う。
支配者による弾圧や統制をさせない為に、個人の思想の自由を仕掛けているのが、本当の意味。
大阪維新の会が提出したモノも、自分たちの考えに反する者を、排除するのが狙い。
具体的には、君が代と日の丸の時の、起立をしない思想を持つ者の排除。
大阪では、実際に行われているので、それが狙いと考えて間違いない。
大変巧妙で分かりにくいが、大阪維新の会が出した条例案の中の、愛国心の理由はそこにある。
でもそれは、民主主義とは言えない。個人の思想の自由を侵している段階で、民主主義ではない。
愛国心を使ってはイケないとは言わない。ただ、使うのであれば、他国の尊重と、個人の思想の自由はセットにする。
他国の尊重と、個人の思想の自由をセットするならば、愛国心を使っても構わない。
他国を蔑ろにしない。個人の思想を蔑ろにしない。その条件を満たした上でならば、愛国心は使ってもイイし、民主主義を侵してもいない。
大阪維新の会の狙いと、愛国心というモノの全容が、理解して頂けたと思う。
民は、蔑ろにされ易い。思想の自由は、弾圧や統制を防ぐ為の、民主主義の仕掛け。力ずくは、してしまうよね。だからこそ・・・。