ふっこう2
元通りが、最高だろうか。
おそらくは、恐怖が残ってしまう。
元通りになるコトが、復興だとは思えない。安心して、生活できるコトが、基本になる。
町並みや、そこにあったモノ全てを、全く元の状態に戻せたとしても、安心して暮らせない。
それまでとは違う恐怖の記憶が、植え付けられてしまっている。
シッカリとした、地震、津波対策を講じないと、安心は得られない。
順を追って考えてみる。まず手始めにするべきは、震災前の航空写真を用意する。
Googleなどの地図であれば、おそらく可能と思う。それと現在の航空写真も用意する。
主要な道路や、学校など、震災前の地図からトレースして、現在の航空写真に記していく。
同時に、避難しているヒトに、自分の家の位置も確認してもらい、書き写す。
本来は先祖代々の土地を、明け渡すのは難しい。先祖を裏切るコトになる。
しかしながら、津波の後の惨状では、それも許されると思う。
土地の権利関係などは、非常に難しいが、地図に記しながら、検討していく。
恐怖の元は、津波と地震。全ての家に、その対策をとるというのでは、何十年もかかってしまう。
とすれば、ある程度大きな建物で、地震や津波、塩害などにも備えるものを、建てた方が現実的。
それならば、電気、ガス、水道、下水、なども一括で整備できる。
あらゆる技術を積み込んで、どんな地震や津波が来ても、ビクともしないモノを築いていく。
そこに移り住むか、先祖代々の土地を取るかは、難しすぎる問題。
としても、全ての家に地震津波の対策を施すのが、絶対条件になる。
土地全体を押し上げて、要塞のような堤防を作れば可能かもしれない。
それでも風景や、漁業の水揚げのコトを考えると、かなりキビしい。犠牲になるモノが大きい。
しかも今回の津波は広範囲なので、それをやればやはり10年単位で時間を費やしてしまう。
短い時間でとすると、やはり対策を詰め込んだ、ある程度の大きさのマンションを建てるのが速い。
そこから就労や学校へ通うカタチになる。集合住宅であれば、地域計画も立てやすく、商業も成り立ちやすい。
犬や猫など、ペットの問題もあるが、それも設計の段階で折り込んでおく。
住む所というのは、全ての拠点。シッカリとしたモノを造るコトで、安心はうまれる。
地元で、もう移り住まなくても良い、安心できる家。とすれば、マンションのような集合住宅が、一番現実的。
復興は、拠点作り。検討を深め、まずは住むトコロを。そこから次のページを、始められる。