くずす
平和が続く。
そうしたならば、新たな問題が、蠢いてくる。
平和特有の問題ならば、それは崩していかなければ、ならない。
戦争状態では、ヒトがヒトではなくなる。強制的に同じ方向に進まされ、巻き込まれていく。
生活の基盤は破壊されて、路頭に迷うのか、それともただ身を任せていくのか、翻弄されるばかり。
それに比べれば、平和な状態は、ヒトがヒトでいられる。自分の意志で行動出来る。
平和が良いに決まっている。それは間違いないのだが、上手く進むほどに良いも悪いも色濃く出てきてしまう。
平和な状態が長く続いた経済は、充分に行き渡る現象を引き起こす。
平和で経済が順調にいくほどに、流通も整備され、物が人々に行き渡ってしまう。
つまりは需要が貧弱になるという現象。これを引き起こす。
この平和型の経済の問題は、あまり注目もされず、野放しにされてきた。
でもこれは考えておかなければいけない、深刻な問題。
戦争後は、需要が沢山ある。一から造らなければならないコトが、溢れている。
それが平和が続くにつれ、枯渇していく。需要がないというコトは、仕事がないというコト。
つまりは、人がいらなくなってしまう。かといって、戦争をするワケにもいかない。では、どうするか。
平和が続いたとはいえ、全ての国が豊かになってはいない。需要がある国は、まだ多い。
崩すべきは、豊かさの固定化。豊かさをもっと流動的にして、需要を混ぜる。それである程度時間は稼げる。
では、全ての国で物が行き渡り、需要が無くなったらどうだろう。
企業は、コストを下げる為に、機械化やコンピューター化を進めている。
これは、さらにヒトから働ける場を奪っている行為。とすると、必要なのは、“人化”。
機械化やコンピューター化している物を、人化していく。
現在、豊かでない国は、機械化を進める。そして豊かな国は、人化をしていく。
需要は平和になるにつれて、先細りになる。それでも生活する為に必要な消費は必ずある。
その消費される場所に、人が介入し、所得を得られるように、あえて人化の道を進める。
崩すべきは、機械化。奪われた職場を、機械から取り戻す。人化に優遇を、そして機械化に課税を。