ささやく
動ける。
怒鳴られるよりも、効果的。
ささやかれた方が、とても動きやすい。
ヒトから指示をされて動く時、その言われ方によって動きやすさが変わる。
怒鳴られた場合、瞬間的には動ける。これは回避行動。怒鳴り声という危険から、逃げ出す行為。
確かに瞬間的には動けるが、あまり持続しない。自分の意志で動いたのではなく、怒鳴られたから動いただけになる。
さらに納得していないのなら、イヤイヤ動いているコトになり、心と動きが離れてしまう。
心と動きが離れれば、おのずと質は落ちる。予想しているよりも、悪い結果に陥りやすい。
それならば、ささやくではどうだろう。指示される時に、ささやかれる。
ささやくというのは、危険性はない。逃げる必要はないので、その内容を確実に受け止めるコトになる。
受け止めたあとは、しっかりと納得してから、自分の意志で動けるようになる。
ささやかれると、主体的に動けるようになる。怒鳴られて回避で動くのとは、まるで違う。
では、ささやく側、実際指示をする側はどうだろう。
怒鳴るというのは、相手に反論の機会など与えない。でも、ささやいた場合は、相手の反応が返ってくる。
賛同や反対、質問や、更なる説明を求められるかもしれない。
ささやく場合はある程度、相手からくるリアクションに備えなければならない。
とすると、言葉は自然に選ばれ、洗練されていく。
誰かに指示を出さなければ、いけない時はある。その時にもっとも質が高い伝え方は、ささやくやり方と言って良い。
ささやくは、信頼。吟味して伝える。それで主体的に自分で動ける。なかなか出来ない高度な、伝え方。