くもる
みんなが持ち上げる。
持ち上げているのは、存在。
それになった瞬間から、曇る。ナニも見えない。
ヒトはとても持ち上げたがる。持ち上げているのは、中身ではない。中身なら賛同、反対する。
賛同や反対は、自分がその中にいる。持ち上げている時は、自分は別の所。
ヒトは持ち上げもするし、さげすみもする。そのどちらも、自分はその中には居ない。
他人ゴトとして、無責任に持ち上げ続ける。同様に、さげすみ続けもする。
持ち上げられるというのは、とても気持ちが良い。全肯定のお風呂に、ドップリと浸かる。
あまりの気持ちよさに、そこから出たくなくなる。
その全肯定のワナに、浸かりっぱなし。
全肯定のウソを信じ切り、真実を見ようとしない。疑えば、全肯定の快楽を味わえなくなる。それを嫌う。
持ち上げている方も、熱病に取り憑かれている。
中身などどうでもいい。近くにいるだけで、おいしいおこぼれに、ありつける。
そのおこぼれを、失いたくはない。中身はない。ただ持ち上げている。
中身は、賛同か反対。賛同も反対も存在しない。
全肯定のお風呂と、熱病のおこぼれが、あるだけ。
真実そっちのけで、誰も居ないお留守の状態で、持ち上げ続ける。
距離が離れている者からすれば、何を身内だけで楽しそうにやっているのだろうと、呆れる。
政権を取ったモノは、誰もうかれ、ワナにはまり続ける。
どこの政党が政権を取っても、同じ。よく聞かれる言葉通り、どの政党も、このワナにはまる。
曇るのは、ウソの居心地の良さより、外へ出ないから。持ち上げられている時、確かめたい。全肯定なら、それは全てウソだから。