これでいい
そう思っている。
最初はそう思っている。
最初は、これで良いと思っている。
それが、これじゃいけないと気づく時が来る。
どういうモノが良くて、何が悪いのか。最初から分かっているワケではない。
最初は、自分のするコトは、全てイイと考えて疑いもしない。
それが、失敗をしたり、他のヒトのリアクションが好ましくなかったり、怒られたりして違和感を感じ出す。
違和感を感じるが、まだ気づかない。まさか自分の行動が悪いとは、考えもしない。
そんなコトが積み重なって、なんとなく分かってくる。
ああ、自分が悪い。そしてこのままではイケない。
このままではイケないと気づくまでの道のりは、結構長い。
何段階も、経験しないとそこまで辿り着けない。
年齢に関係なく、経験の数、本人の勘の良さも含め、様々な段階が混在している。
ヒトは長い人生をかけて、これじゃいけないというゴールに辿り着く。
早く辿りつくヒトもいれば、長いことかかるヒトもいる。
このままじゃいけないと気づいて、心がけて改善していく。
それは出来ても、他にも改善するコトが、山のようにある。それをひとつひとつ、改めていく。
ともかく最初は、このままで良いと思っている所からになる。
一人では辿り着けない。まわりがいて、観察して、不愉快になって、違和感を感じて、もしやと思って、認めたくなくて、ごまかして・・・・。
そこから逃げて、気づかぬふりをして、時間をおいて、やはり向き合おうという気になって、そこで初めて、このままじゃいけないと改めていく。
気づき始めてから、改めるまでも、相当かかってしまう。
わずかなヒントのピースをつなぎ合わせて、その犯人が自分だと気づく、推理ゲーム。
なかなか、皮肉でよくできているシステム。ヒトはこのくらい複雑で、皮肉が効いていないと、飽きてしまうのかもしれない。
犯人は自分。まさかの展開。素直に反省して、ほんの少し成長する、素敵で皮肉なシステム。