かべ
味方になる。
敵も味方になる。
一つの方向から見れば、敵に見える。それは正しい。
一つの方向から見ている段階では、正しい。でも、いくつもの方向から見て、共通点を見いだせれば、途端に間違いになる。
敵が味方にもなる。そして、後輩や先輩にもなり、やがて尊い存在で、ないがしろにしてはイケないんだと気づく。
重要なのは、正しいか間違いかではなく、共通性を見いだせるか、どうか。
現在は、その為の材料はそこここに、散らばっている。いろんな方向から見るのも、昔に比べれば、とても簡単。
みんな、どこの国のヒトも、マヌケでそして素晴らしすぎる。みんな自分が大好きで、自分が正しいと思っている。
そんな共通性を見いだせれば、敵という考え方は、し辛くなる。
同じように正しいと思って、そして自分好き。まるでマヌケだが、みんなそうなので否定出来ない。
それでいい。共通性を見いだした段階で、安易に悪者を作れなくなる。共通性は自分も含む。
自分は正しいので、共通性のある者を、悪者にはし辛い。
それでも共通性を見いだす為には、いろんな方向から見なくてはイケナイ。
おそらく普通に生活していたら、そんなコトはしない。よっぽどの壁にぶつからないと、ヒトはそこまではしない。
壁にぶつかれば、ヒトは立ち止まり考える。そしていろんな方向から見るという、面倒なコトも出来るようになる。
壁、それはヒトが考える上で、とても重要な要素。壁がなければ、ヒトは考えない。順調にいくほどに、何も考えない。
壁があって、初めてヒトは自分がマヌケであると気づき、他のヒトもマヌケだと分かる。
何を信じようが勝手だが、共通性の中に真実がある。正しいとか悪いとかいってるうちは、まだ独りよがり。
真実は自分も他人も、マヌケ同士。お互いに自分だけを大切にして、敵や悪を作りたがる、マヌケな存在。
共通性で気づく。その為のいろんな方向から見る行為。その前に必要な壁。その壁に出逢わなければ、ヒトは何も気づかないまま。ずっとそのまま。