えんぴつ
壊れている。
面白いほど、壊れている。
最近、鉛筆を使って文字を書く機会が出来て、面白いほど記憶が壊れているコトに、気づかされた。
パソコンを使っていると、そんなコトまるで気づかないが、実際にはかなり壊れている。
記憶の仕方も壊れていて、覚える時も、あやふやで済まそうとする。
パソコンを使っていると、それでもイイのかもしれない。あやふやなままでも、補完して成り立たせてしまう。
ただ、文字を自分で書くとなると、そうはいかない。ある程度、細かい所まで正確に思い出せないと、正しい答えは出ない。
自分で、こんなに壊れてるんだと、とても面白かった。実感して、そうなるのかと感心した。
パソコンだと、かなりあやふやで曖昧でも、大丈夫に出来ている。
それで記憶の仕方も、曖昧であやふやになっている。当然書けるハズの文字も、書けなくてビックリさせられた。
鉛筆は使うほどに短くなる。書いていると、芯が丸くなって、太い字になっていく。
そんな使い勝手を、久しぶりに感じながら、パソコンだけを使い続ける怖さを、思い知らされていた。
パソコンで欠落しているのは、細部と手順。文字は打ち込むだけで、その文字の手順も、細部も必要ない。
それで、それを記憶しておく脳が、不要になって壊れたのだと思う。
分かるハズの文字が、出てきてくれない。大まかなカタチは分かるが、手順も細部も、思い出せない。
すぐに調べて、出来るようになったが、記憶するコトも衰えていて、すぐに忘れる。
仕方ないので、覚えるコトに時間をかける。それでようやく、忘れずに記憶出来るようになった。
曖昧であやふやでも大丈夫だと、脳もあやふやで曖昧になっていく。
なんとなくそうだろうとは思っていても、実際にそれが自分に起こると、面白いほどショックを感じる。
いや〜面白い。ヒトはこうやって、退化していくと最近分かった。退化するものだから、そうならないように、鍛えていこうと思わされた。