おわらす
楽しみたいようで、終わらせたいような。
いつの間にか、終わらせようとしている。
そのまま楽しめばいいのに、どうも終わらせたがる。そのコトを、こなしてしまいたい気持ちになっている。
こなさなければという、強迫観念にいつも追い回されている気がする。
確かにやり遂げた時は、それなりに気持ちが良い。
逆に、途中でやめてしまったモノは、イヤな思いを引きずる。
楽しむタメの遊びでさえ、こなそうとしてしまう。
楽しめばいいのに。どういうわけかいつの間にやら、こなすコトに集中してしまう。
楽しめるコトが沢山ある時代。現代はそれにあたる。
それで、楽しめるコトであっても、やり残してしまう。もしくは手つかずのまま、放置される。
とても贅沢になってしまった。楽しめるコトが多すぎる。
それで楽しめるコトであっても、一つ一つこなしていかないと、中途半端なモノだらけになってしまう。
部屋を見渡しても、読みかけの本やら、やりかけのゲーム。見途中のDVDなどが沢山ある。
なるほど、終わらせてこなしたくなるのも、うなずける。
どうやらとても贅沢をしているらしい。気づかないだけで、実はそうとうな贅沢。
それで気ぜわしく、いつも追い立てられる。贅沢だが、幸せではない気がする。
贅沢と幸せとは、異質なモノ。とんでもなく贅沢でも、それに追い立てられる。
幸せを追うのなら、贅沢でなくてもイイ。贅沢なコトをしなくてもいい。
欲張りすぎて、それにいつでも追い立てられる。ならばいっそ手放した方が、うまく行くかもしれない。
欲張るほどに追い立てられて、ただこなすだけの作業をし出す。中身が薄くなっていく。
本当に深く楽しみたいなら、もっと減らしていく。それなら、こなす作業ではなく、そのものを本当に楽しめるようになると思う。