やすまる
やすまる時に、幸福感を感じる。
解放される幸福感。ゆるむ幸福感。溶け込む幸福感。
それまでの苦しさから解放され、緊張がゆるんで、呼吸が深くなる。
そのあと、ナニかに溶け込むような、感覚になる。
呼吸が深くなるたびに、たくさんの空気と溶け込みながら、身の回りにあるモノとも溶け込んでいく。
目を瞑れば、さらに遠くのモノとまでも、溶けていける。その時一番の幸福感を感じる。
自分が自分でなくてもいい。自分という個から解放される。
自分はとても踏ん張って、自分として生きている。
普段は当然のこと、それでもやすまる時は、そこから解放される。
目を閉じれば闇の中だが、その闇はとても暖かい。
暖かさは、どこからくる。なぜそうも暖かい。わからないコトばかり。
永遠に続くと思われる、安定した暖かさ。ナニもないが、とても暖かい。
吸い込まれていく、暖かい闇の中に。深い安心感、大きな幸福感。それを感じながら眠りにつく。
そして、目が覚めて、また一日が始まる。幸福感は、とても暖かいがナニもない。
ナニもない所で、一休みして、また歩き出す。無はとても暖かい。闇はとても安定して暖かい。
それでもナニもないので、いつまでもそこに居られない。目が覚めて、自分を着て、また一日を紡いでいく。その繰り返し。