こころざしなかば
まっとう出来ない。
ほとんどのヒトが、その状態で、この世を去る。
志し半ばで、ほとんどのヒトがこの世を去る。まっとう出来る方が、珍しい。
それでも、ヒトはいろんなコトを志し、それに向かって動いていく。
ほとんどそれが、うまく行かないとしても、生きているうちはそこに向かう。
それは無駄なコトなのだろうか。おそらくそうとも言える。
多大な無駄が、世の中に溢れて、それでも成立している。
自分のやっているコトが、うまく行かなくても、それは当然のコトなのだと思う。
うまく行く方が、希と断言しても良い。
落ち込む必要は、ないのかもしれない。冷静に見つめれば、当然のコトが起きているだけ。
あとは、他のやり方に切り換えていけば、良いように思う。
ほとんどのヒトが、志し半ばでこの世を去る。冷静になれば、そんな残酷な現状が見えてくる。
ただ、不思議とそれで良いような気もしてくる。そんな人生もアリだと、みょうに納得出来てしまう。
それは、その志が本物だから。志しのままに生きて、そこに命を注いだ振る舞いが、本物だから。
本物ならば揺るがない。
誰になんと言われようと、石を投げられて罵倒されようと、本物は身じろぎもせずそこに居る。
大切なコトは、成功するか失敗かではなく、本物かどうか。
本物であれば、揺るがず、独自の光で輝くコトになる。
もちろん、成功というのは一般に広まるコトも意味するので、それに越したコトはない。
成功を目指して、その志に向かって、進んでいけばいい。
うまくは行かないが、それで良い。なんかちょっと悲しいけど、ほろ苦くて深い味わい。
ヒトの生き様は、そのほとんどがほろ苦くて、悲しい。でも、それが本物ならばそれでいい。
成功したって、欲望を満せるようになるだけ。志しも疎かになりかねない。
それよりは、純粋に志のままに、振る舞えた方がイイ。雑音に悩まされずに、やり続けられればありがたい。
人生で、そこに漬かれるコトが、なにより。
とすると、人生というのは、漬け物のようなモノだろうか。志のままに、漬かる。ま、それでもいいか。
志し半ばは、当然。ほろ苦くて悲しい漬け物。でもそれで良いと納得出来る。なぜならそれが本物だから。