こうそくにんげん
あらゆるモノが、止まって見える。
じっさいは、ほんの僅かずつ動いている。
もしも、人間が光速で動けたら、そこはどんな世界になるだろう。それを想像してみる。
もちろんヒトは光速では動けない。あくまで、仮の話。
光速で動くと、虚数になって、質量が無限大になるとか・・・・・・。そういう話は、知っているので不可能なのは分かっている。
あくまで、光速の刻み。そして人間とするのは、認識しやすくする為。いわば光速目線。
光速目線で、どう世界が変化するかを、考えて行く。
あらゆるモノは、光よりも圧倒的に遅い。それだけにあらゆるモノは止まって見える。
さらに空中のモノも、落ちてくる速度は重力加速度に従う。光速から考えれば、これもかなり遅い。
つまり落ちてこない。落ちる幅に目盛り振っても、光速時間では1ミリ以下の目盛りになるコトは、想像できる。
一定の時間で、ほんの僅かひと目盛り分ずつ、動くコトになる。
重い自動車を、動かすとするとどうだろう。光速で動けるとしても、重いモノは重い。
でももしも自動車を、ほんの僅かひと目盛り分よりも、多く揺らすコトが出来れば、持ち上げるのも可能かもしれない。
そして、一度持ち上がれば、ひと目盛り分しか落ちてこない。光速ならば、重いモノも持ち上げられる。
そもそも重いというのは、地球の引力。いつでも引力は、あらゆるモノを引っぱり、そして重さは成立する。
重力加速度が示すとおり、引力も時間に起因する。もしかすると、引力も光速人間の前では、分割されるのかもしれない。
引力が細かく分割されるというのは、重さも分割されるというコト。
重い自動車でも分割されて、非常に軽くなってしまうのかもしれない。
その場でジャンプしたとする。普通ならば、すぐ重力に引きつけられ、落ちてしまう。
でも、光速人間なら、引きつけるのはひと目盛り分。おそらく、とんでも無い高さまで飛び上がって、さらになかなか落ちてこないというコトになる。
手を動かしてみる。空気との摩擦熱で、すぐに熱くなる。普段ならば、空気は流れて熱も発散する。
でも、光速人間。空気はそんなに速くは流れるコトは出来ない。おのずと摩擦は強くなり、摩擦熱は凄まじい。
さらに、熱は時間と共に発散する。刻みが速い光速の世界。熱の発散も、ほんの僅か。
熱を帯び、かなり時間があって、手が燃え出すというコトになるのかもしれない。
時間に起因するモノは、光速の世界では、ほんの僅かの変化しかしない。引力も、熱の発散も、時間に起因する。
紐はどうだろう。軟らかくて、だらんと垂れ下がる紐。
だらんと垂れ下がるのは、重力に起因している。とすると、光速の世界で紐は、カタチを作ったそのままを保つ。
空中に浮いたまま、そのままで、居続ける。とすると、紐で空中に3次元的に文字や、絵を描く事も可能かもしれない。
他が止まって見えるほど、速い光速人間。おそらく、とんでもなく早く歳を取る。すぐに老いていく。
アインシュタインは光速に近づくほど、時間は遅くなると考えていた。でもそれは、光速の乗り物の中の話。
光速人間の話はしておらず、条件が違うので、これはアインシュタインの考えとも、相反するモノではない。
ド素人が考えただけでも、光速目線は面白い。専門家ならば、まだまだいろんなコトをイメージできると思う。
この世界と、光速の世界ルールはまるで違う。世界が一変する。そこを考えるだけでも、とても楽しい。
光速人間は、別世界。すべてが、一変するありえないが、ありえる現実。光速目線で、新しい発見が出来る予感がする。