そしき
変えるべきモノ。
強情で、鈍くさいと思わせる。
組織の変わるべきモノは、なかなか変わらない。
脳科学者の茂木さんも、ツイッターで毎日のように、嘆いている。変わらない日本の在り方。
どうして変わらないのだろう。それを考えてみる。
変えるといっても、誰でも変えられるワケではない。変えるコトが出来るのは、権限を持つヒト。
権限の無いヒトがどんなにがんばった所で、排除されて終わりになってしまう。
重要なのは、権限を持つヒト。彼らが、その権限を用いてあるべき方向に変えていけばイイ。
ただ、話はそこまで簡単ではない。
組織の中で、権限のあるヒトは、今までの形式を守ろうとしてしまう。
今までの形式を守っていては、あるべき形に変えられはしない。
今までの形式を、壊せるヒトでなければ、変えるコトは出来ない。ただ、形式を壊すヒトは、組織の中では悪。
どうやらそこら辺に、この問題のヒントが隠されている。
もしも一代で会社を築いた創業者ならば、形式をどんどん変えていける。
自分が作った会社。自分の感じたままに、自己責任でカタチを変えればいい。
茂木さんが評価している人も、ほとんどが創業者。
創業者の方が、変化に強いと言える。
でも二代目、三代目となると、話は違ってくる。権限を持つヒトが、形式を守るようになる。
なぜなら、創業者を裏切れない。前任を裏切れない。
尊敬して、大切に思うほど、創業者が作った形式を守ろうとする。
創業者が作ったモノでなくても、従来からあるモノは、全て守ろうとする。
創業者のほうも、身近に置いておきたいのは、裏切らない存在。従順な存在。
2代目になるのは、忠誠心が高いニンゲンがなるコトが多い。
ただここがくせ者。忠誠心が高いほど、先代を裏切るコトが出来ない。
それで形式を守ろうとしてしまう。それを企業運営の支えにして、重い責任の言いワケにも使ってしまう。
世の中のあるべきカタチを見ずに、先代のやっていたコトから、答えを見つけ出そうとする。
忠誠心というモノは、変えられないコトの、元凶かもしれない。
2代目には、忠誠心が高いニンゲンを、選んではイケないのかもしれない。そこが陥りやすいワナ。
有能なニンゲンがいるとするなら、2代目ではなく、新たに起業させ追い越させるくらいがイイのかもしれない。
忠誠を誓うべきではない。乗り越える。トップは、破壊者でなければ成立しない。
脳科学者の茂木さんが賞賛する人物は、ある意味全員、破壊者。
企業のトップが、世の中の常識、ましてや社内の形式を破壊できないようでは、没落の一途を辿る。
社会をより良くする為に、良いモノに対して誠実。良いモノを作る為に、全てを変えられる能力。
ヒトに忠誠を尽くすコトは、企業の中では穏やかだが、世間では何の意味も持たない。
場合によって、忠誠を尽くす内向きさは、害にもなる。権限を持ったならば、破壊すべき。
組織は内向き。組織への忠誠は、まとわりつくワナでしかない。変えられない元凶は、忠誠心。