ええ
コレが分かれ道。
聞き上手かどうか、コレで決まる。
相槌に、「ええ」という表現を使えるヒトは、聞き上手と言える。
ただ、相槌を変えただけ。それだけでどうして、聞き上手と言えるのだろう。
「ええ」という表現の中に、なにがあるのだろう。
相手が話している相槌を、「はい」にするか、「ええ」にするか。
「はい」にした場合。主体的になってしまう。自分がシッカリと聞いていますよと、理解していますよと言う意味合いになる。
相手主体ではなく、自分が主体になってしまう。
その為、真剣に話を聴いている印象を与えるが、緊張感も伴う。
結果、話を受け止めている印象は、少なくなってしまう。
「ええ」の場合はどうだろう。
相槌で、「ええ」を使う場合は、相手の話をシッカリと聴いていながらも、緊張感は弱く、受け止めてもいる。
「はい」は区切ってしまう印象を与えるが、「ええ」はそのまま流れを維持するイメージ。
相手主導で、進んでいる。いつでも相手が、バトンを持ったまま、話を進められるカタチになる。
「はい」よりも安心して、話が進められるのだと思う。焦らされる感じは少ない。
話をしている側は、話を組み立てている。途中で遮られるのも嫌だし、プレッシャーをかけられるのも嫌う。
それから、話を途中で見失うコトもある。その時には、フォローして欲しいとも思うし、引き取って欲しかったりもする。
「ええ」という相槌を使っていても、フォローや話を引き取るタイミングを、見逃してはいけない。
そこは押さえないといけないポイント。
では、「うん」や、無言でうなずくというのも、考えてみる。
「うん」というのは、とても親しげ。「ええ」に混ぜて使うと効果的と思う。
「うん」の場合も、「はい」と同様、自分主体の印象を与える。
「はい」ほどではないが、相手の話を受け止めるコトに多少欠ける危険性を、内包している。
無言でうなずく場合は、どうだろう。無言の分、表情や視線の重要度は上がる。
声を発するよりも、同調の度合いは、高くなる。
実際には、自分を押し殺して、相手の話を聴く場合に用いられる。
自分の意見はあるが、それを押し殺すために、無言の相槌を打つ。
コレは自分に発言権がない時などに、有効。話し合いではないので、適当に合わせていればいい。
相手が、聞き上手であるコトも求めていないので、無言の相槌でその場をやり過ごせばいいというコトになる。
いろんな相槌を考えてみたが、声の強弱や、間の取り方でもまるで違う。
その時の状況に、合わせる必要がある。それでもやはり「ええ」というのは、聞き上手には欠かせない表現。
「ええ」と「うん」を組み合わせて、親しげに受け止めながら、同調もする。
それが使えるようになれば、コミュニケーション能力は上がり、成長するように思う。
「ええ」は受け止める。相槌ひとつでも、聞き上手になれる。また一歩まともな大人に、成れた気がする。