じゅうえん
得をするのが、当然と思っているのかもしれない。
全てを手に入れられると、考えているように思う。
トップは損をしなければ、その仕事をまっとうできない。総理大臣の年俸を、10円にする。
10円にするのは、まともにする為。
10円というのは、まともでない年俸であるが、それによってまともで居られる。
トップになって、さらに得までしようとする。
そうなってしまうと、その居心地の良さを、手放したく無くなる。
得をしたい気持ちと、居心地の良さを手放したくない気持ち。この二つが、保身を生む。
権限のあるニンゲンが、自分の保身を第一に考えれば、その組織全体が保身に染まる。
すべきコトを第一に考えられなくなって、自分の身ばかり考える。
それでは、仕事をまっとうできない。それが国であれば、良い政治など出来はしない。
アップルのスティーブ・ジョブスは、1ドルの年俸しか貰っていない。
無論彼は大金持ちではあるが、にもかかわらず、ハングリーであれと語っている。
ぬるま湯の気持ち良さの怖さを、誰よりも知っているのだと思う。
お金を得て、それに依存しては、自分の能力が呆れるほどに、鈍ってしまう。
それはとても恐ろしい現象。それを知っていて、恐れているのだと思う。
居心地の良さから抜け出せなくなり、保身に走る。それは、仕事をまっとう出来なくさせる。
トップは、自分の得を求めてはいけない。自分は損をしても、やるべきコトを進める。
それがトップの仕事。他のヒトの泥をかぶるのが役目。なので10円でも良い。
10円で激務をこなすのは、異常。それでもやるというくらいの、意識が欲しい。
総理大臣ならば、官邸に住み、お金の掛かるコトはない。10円でも、現実的に問題はない。
これから総理大臣だけは、年棒を10円にする。それだけで、かなり良い人材が厳選される。
10円は、フィルター。ハングリーさと厳しさを持っているコトの証明。甘すぎる中で、保身は生まれる。