いきどおり
浅い呼吸が続く。
気がつくと、一呼吸の間隔が短い。
憤りと切迫感で、呼吸が浅くなっているコトに気づく。
世の中は混乱したままで、まるで変わらない。虚しさと歯がゆさが、憤りになる。
それは仕方のないコト。そんなコトで、憤るほうがおかしい。
それよりも、もっとゆったりと深く呼吸をする。
今回の災害で、みんな見えないダメージが蓄積されている。
カラダにも、それはダメージとして、刻まれているハズ。
気苦労の蓄積なら、それは無駄。もっと深くゆっくりとした呼吸で、自分を落ち着かせる。
何も出来ないのならば、今は落ち着かせる時。
落ち着かせて、自分の中に余裕を溜め込む時。
ずいぶんと余裕をスリ減らして、表には現れない無理を心に強いてきた。
これでは、体調を崩してしまう。それはもっと迷惑をかけてしまう行為。
この状況で、余裕を作るのは難しいかもしれない。でもこの状況だからこそ、意識して余裕を蓄積させる。
時間をかける呼吸による、カラダとの対話。
深く長い呼吸は、半強制的に安らぎを与え、体を休息させる。
充分に休んだ体の細胞は、活動したくてウズウズしだす。
それをさらに抑え、次に備える。まぶたを半分降ろし、視界を制限してもイイかもしれない。
半眼にしても、活動は制限され、ゆったりと出来る。
悪い状況は区切りなく続くが、一旦落ち着きたい。余震も減り、事態の全容も見えてきた。
この復興は長丁場になる。これからが本番。何も出来ない者は、一旦落ちつこう。
憤りは、無駄な心労。半眼にして、深い呼吸で落ち着きたい。無力なのは、みんな同じ。