ねた
情景が浮かぶ。
感情移入が出来る。
短い言葉で、情景が浮かぶ。そんなネタや、創作物はどうなっているんだろう。
なんで、情景が浮かぶ表現と、なにも引っかからない表現があるのだろう。
その違いを、分析してみたい。
特に短いのに情景が浮かぶ、そしてリアリティのある表現。その理由を突き止めてみたい。
情景が浮かぶ表現は、ウソのようにマイナスの方向が多い。
マイナスの方向ではない表現では、情景も浮かばず、リアリティもない。
プラスの表現は、ありきたりに感じてしまう。おそらく脳では、プラスの記憶を、表面に置いている。
表面に置いているので、プラスはありきたりで、引っかかりもない。
引っかかりがないので、情景を浮かべる手間も、かけない。プラスでは、ありきたりの穴に吸い込まれていく。
マイナスは、記憶のウラ側に忍んでいる。ならば、マイナスの方向は、引っ張り出して再構築する必要がある。
その再構築が、思い浮かべる行為。その上で、あり得る事であるならば、リアリティを感じる。
マイナスならば、なんでも良いワケではない。あり得るコトが条件。そこでリアリティが出てくる。
では、情景が浮かぶか、何か実際のモノで話を作ってみる。
モノは、時期がちょっとズレるけれど、”クリスマスケーキ”。これを例に、確かめてみたい。
クリスマスケーキで、プラスのイメージは、家族が集まり笑顔。そしてサプライズで登場など。
やはりプラスのイメージでは、ありきたりでゲップが出てきそう。あり得すぎて、リアリティを疑う隙もない。
ではマイナスではどうだろう。いろんなエピソードがある中で、マイナスの方向だけをイメージしてみる。
ケーキを落として、グチャグチャになってしまう。みんながケーキを買ってきてしまい、3つも4つもケーキが並んでしまう。
マイナスというのは、記憶のウラ側にある。そこから再構築するので、疑いが生じる。
マイナスは疑いから入り、その疑いが晴れた時、リアリティを強く感じさせる。
ケーキが壊れるというのは、あり得なさそうに思えて、あってもおかしくはないコト。脳はそのどっちつかずの情景を、検証しだす。
その検証が通ると、より強いリアリティが生まれる。
さらに、その壊れたケーキのその後を考えてみよう。
グチャグチャのケーキをみんなで、味は美味しいと食べる。その情景は、愛情や家族の連帯感を感じさせ、心を揺さぶる。
逆に罵り合いになれば、荒んだ家庭を想像させ、イヤな気持ちになる。
揺さぶられたり、イヤな気持ちになるというのは、感情移入に成功している証拠。
思いつきの短い表現でも、情景を思い浮かばせ、リアリティがあり、感情移入まで出来ている。
モノがあって、そのモノに纏わるいろんなエピソードを思い浮かべる。その中のマイナスの方向。
マイナスは記憶のウラ側に。なので、まずは疑われ検証される。それがあり得れば、リアルと認められる。
更にはそのマイナスの後の、ヒトの行動を描くコトで、感情移入も可能になる。
短いネタでも、あり得るマイナスの方向を入れれば、相手の頭で情景になる。それが、リアリティのメカニズム。