よりどころ
そうとは限らない。
良いとは限らない。
拠り所は、良いモノとは限らない。
嫌なモノでも、拠り所としている。良いとか嫌とかでは、拠り所は決まってこない。
おそらく自分と深い部分で関わった段階で、拠り所となる。
拠り所を失うコトは、関われないというコト。深いトコロのやり取りが、無くなってしまうというコト。
それだけに、戸惑う。嫌なモノとしても、深いトコロで関われていた。
その深いトコロがあって、安定していた。それが無くなってしまう。それだけで、大きな穴はあく。
悲しさではなく、戸惑い。修復の効きづらい、関わり方。おそらく深いトコロで関わると、それに変わるモノは、存在しない。
そこがずっと空席になる。こちらからもあちらからも、埋まるコトのない平行線が続く。
嫌な関わりでも、拠り所になりうる。良い関わりでも、拠り所になる。
拠り所にしないというコトは、難しい。お互い拠り所にしてしまっている。気づかぬうちに、深いトコロで拠り所になっている。
憎み合っても、憎めば憎むほどに拠り所に変わっている。結局憎むほどの距離でなければ、頼れもしない。
距離が近くてぶつかるが、頼りにもしている。そして同時に頼られている。
深いトコロで結びつき、大きな存在になっている。良くても拠り所、嫌でも拠り所。ヒトは、他のヒトの中でも、気づかないうちに大きな存在に、なっている。