ふくらます
分からないコトが多い。
分からないコトは、詰めていく。
答えまでの距離を、縮めていく。
分かりきったコトなら、どうだろう。
見向きもしない。安っぽい存在になる。大切なモノでも、分かりきった段階で、興味が無くなり安っぽくなる。
そこで、ふくらませたりする。付けたしたり、ふくらましたりして、楽しむ。
ヒトはモノゴトを知りたがるが、知った段階で、つまらなくなってしまう。
そのモノゴトが、大切かどうかと言うのは、二の次になってくる。
あまり大切でなくても、わからないモノや、謎めいたモノには、興味を引かれてしまう。
結局ヒトは、ナゾの奴隷。ナゾがあれば、解明したいだけの生き物。
そういう生き物だからしょうがないが、それによって大切なモノまで、切り捨てられてはたまらない。
それで足したり、ふくらませたりして、楽しむ。
楽しむ対象にするコトによって、またモノゴトの真ん中に、大切なモノのポジションを戻していく。
要素を増やして、焦点をぼかして、ちょっと分かり難いトコロに置いておく。
ヒトは、ちょっと分かり難いくらいが、ちょうど良いのだと思う。それが好きなのだと思う。
分かりすぎればつまらないし、まるで分からないコトには、不安を感じてしまう。
ちょうど良い、ちょっと分からない所に、結局持っていく。一番居心地が良いトコロに、持って行く。
最終的にヒトは、いろんなコトを知ってしまうと思う。
ただ、その時には、足したりふくらませたりして、ちょっと分からない所にそれを持っていく。その一番居心地の良いトコロに。そういう風になると予想する。