おと
もしもそれがオナラなら、それはとても恥ずかしい。
音というのは、恥ずかしさの原因にもなる。
どうして恥ずかしいかといえば、自分の体から出たと、証明してしまうから。
音は、存在を証明してしまう。
もしも音がなかったら、そこに存在しているかも、わかりにくい。
音は存在の証明。
この地球に、まだ生物が存在していなかった頃は、どんな音がしていただろう。
海があり、風があり、雨があり、マグマが噴き出し、雷が鳴り、いろんな音があったと思う。
でも、その種類は、数えるほど。今聞こえてくる音より、種類は明らかに少ない。
それだけ、存在の多様性がなかったというコト。現在は、たくさんの音が聞こえる。たくさん居る。
音は空気の振動。存在するモノは、動いて空気を揺らす。それがいろんな音になって、存在を知らせる。
とても速く伝えてくれる音は、コミュニケーションの道具になる。
鳴き声は、さまざまを仲間に知らせる。敵か味方か。危険か、安全か。その心情、状況までも伝えてくれる。
放たれた音は、四方八方に飛び散り、とてもおしえたがる。
危険も安全も、好意も、嫌悪も、恐怖も、恥ずかしい生理現象まで、とてもおしえたがる。
おしえたがりの音が、この世の豊かさを知らせてくれる。イイ物も、悪いモノも、おしえたがりの音が、それを証明する。