こわい
怖さは、どこから来るのだろう。
夕方の誰もいない学校。なぜあれほど、怖いのだろう。
確かに夕方だったり、夜だったりすると、視覚が効かなくなるので怖さは増す。
ただ、実際には昼間でも、ダレもいない学校は怖い。
普段は騒がしいのに、ダレもいないので静かすぎる。
とてつもない静けさが、恐怖を感じさせる。
広すぎる場所も、怖さの原因と思う。
ただの広さならば、それほど怖くない。区切られた空間がたくさんあるコトが、とても怖い。
おそらく潜むコトの出来る場所が、そうさせる。
全てを見渡すコトが、出来ない。ナニが潜んでいようと、確認が出来ない。それがそうさせる。
逃げ場所も、限られる。ヒトが生活しやすい場所は、通路は狭められる。
使用するスペースを広くする為、どうしても通路は狭くなり、さらに出入り口も限られる。コレが怖さを増す。
逃げ道が少なく、脱出口も少ない。さらにとてつもなく広く、潜む場所もあり、とても静か。
そして何より、味方がいない。ダレもいないというのは、頼れるのは自分しかいない。それはとても心細い。
怖さは、未知なる敵に対しての不利な状況から生まれる。
リスクの高さから、怖さを感じる。生存を脅かすリスク、それがとても怖い。
実際に敵はいなくても、条件だけでとても怖い。ヒトの安心には、リスクを排した条件も必要と言える。
他に誰かがいる。それだけでも心強い。人が一人増えるゴトに安心が増し、怖さが減る。
逆にヒトは、煩わしさも持ち合わせる。危険に囲まれている時は、ヒトを欲するが、安心に囲まれては、ヒトは不要になるのかもしれない。
それでみな、一人になりたがる。現代に必要なのは、実は怖さかもしれない。怖さでヒトは、ヒトを欲する。それが必要かも知れない。