おもいで
人生を終える時に、満足と思わせるのは、思い出。
生きていたコトのしるしは、思い出として残る。
思い出に支えられて、満足や幸福感、充実感の納得を得るコトが出来る。
いずれはみな死ぬ。その時のコトを、考えておくのも悪くはない。
おカネやモノは、あの世には持っていけない。誰かを道連れにするわけにも行かない。
なので、持って行けるのは思い出だけと、そう思う。
その時になったら、どんなコトを、思い出すのだろう。
深く暗い闇の中で、思い出達が、ひとつずつ浮かんでいく。
その一つ一つが財産。自分の人生を彩ってくれた、宝物になっている。
ヒトの思いやりも、自分のバカな行いも、体験も、その時のニオイも、全て財産。
日常の、なんてコトのないと通り過ぎるコトでさえ、もしかしたらとてつもない宝物かも、と思う。
死という、寂しさの静けさの中で、支えてくれるのは、思い出だけ。
みんなその寂しさを感じて、この人生に幕を閉じる。誰もが、感じる道。
誰もが通る寂しさを、それぞれの思い出達がそれを支えていく。
ほんのちっぽけで、絶大な存在の思い出。
頼りなく、頼もしい存在。
死んだら、それにすがるしかない。自分にはそれだけしか残されない。
とても静かな世界。
人は温かい。そのぬくもりが救い。
思い出はぬくもり。思い出の中に、ぬくもりは寄り添う。そのぬくもりに救われる。
生きているうちに、どれだけぬくもりを感じられるか。感じさせるか。
生きているうちは、ぬくもりは通り過ぎる。それでも実はシッカリと残っている。思い出の中に。深いトコロにしまわれている。
気がつけば、宝物はたくさんある。お金でも物でもない宝物。いずれ死ぬ。だから、その宝物は大切にしたい。