わく
ヒトは、ワクの中で生きている。
ワクに支配されて、そこを生息域としている。
ワクを構成するライン。そのラインを、とても意識する。
ラインの中か、外かで、意味合いがまるで変わる。
ラインによって、世界がまるで変わる。そう認識している。
確かに世界が変わる時には、何らかのラインがある。境界線がある。
そのラインを見た時、意識するのも当然かもしれない。
ただ、意識しすぎているので、ナニもなくてもラインがあるだけで、とてもたじろぐ。
そういう癖がついている。ラインは世界の変化ではなく、ヒトが認識出来るただの線。それでも、その意味を考えてしまう。
コレはヒトに染みついた、特性なので、上手くやれば利用も出来る。
何本も線を作り、その一番最初だけ、強烈に仕掛けをしておく。
そうすれば、その後の全てのラインにも、同じかそれ以上の仕掛けがあると、考えるようになる。
コレを利用すれば、ヒトを排除するコトも、ヒトに喜びを期待させるコトも、足止めさせるコトも可能になる。
ラインの入り口で、その中にナニがあるかを判断する。なので、最初のラインが一番肝心。
時間でも、空間でも、システムでも、ヒトはラインを作り、そのワクの中で生きている。
そこで良い印象を与えるか、悪い印象を与えるかで、その後の行動がガラリと変わる。
ただのラインであっても、ワクであっても、ヒトにとってはその世界が始まる、入り口。
ワクから出る時は、違う世界に行くコトと考える。
ワクの中は世界、ラインは扉。ヒトは扉をひとつずつ開けて、その世界を知っていく。
とてもたじろぎながら、ビビリながら。ヒトの知るワク、世界は広がっていく。