しぼりださ
絞り出されたコトバは、まばゆく光りだす。
思い浮かぶ、すぐ出てくる言葉はありきたりで、ウスい印象だけで消えてしまう。
ダレかが通った、ありきたりな表現の道。何度も通るごとに、ナニも感じなくなってしまう。
それが絞り出したコトバでは、新鮮な見たコトのない景色の道、その表現なら深く焼き付いてくれる。
コトバを絞り出すのは、ダレにも力を借りられない、孤独な苦痛ばかりの作業。
それだけに、新たな表現の見返りは、目にした人に強く印象づける。
文字の表現、つながり方、どれをとっても苦痛ばかり。なかなか出ても、来ない。
それで喜びに出会える。見つけた時の喜びは、何ゴトにも代え難い自分だけの勲章。
結局絞り出すその苦しみは、嫌いじゃない。それで日々、その苦しみを味わい続ける。
苦しみのあとの喜び。しょせん自己満足の領域だとしても。とてもたのしい、絞り出すコト。