くいとめて
ひとりなら、手からもこぼれ落ちる。
手を出さなければ、そのまま墜ちるだけ。
さまざまに、人は社会から落とされ、墜ちていく。
自分の手からは、こぼれ落ちてもまるでかまわない。次の手がそこに待ち構えてくれれば、くい止められる。
手を出して欲しい。みんな自分など力がないと、見ぬふりでその場を立ち去ってしまう。
できるコトだけでかまわない。意外にできるコトもある。こぼれ落ちても、次のヒトがいればまだ墜ちない。
そこから墜ちても、また自分が次の手になればいい。
ひとりの手ならば、こぼれ落ちたら終わり。沢山の手で、墜ちてしまう場所を埋め潰す。
千手観音にもなれる。それ以上の万手にも、億手にもなれる。
何も出来ないと、思わせる世の中かもしれない。でも、ホントウはそこに居るだけでも役に立つ。
自分は居ても良いし、とっても役に立つ。
その手は、沢山の墜ちていくヒトたちを救える。それで墜ちてもダレかの手達が、くい止めてくれる。