せんぱいの
聖地と言われる所は、どこへ行ってもとても恐ろしい。
自分の傲慢さを、一切許してはくれない。そういう特別な空気で、静かにあたりを満たしている。
ナゼ傲慢さを、許してはくれないのか?そういう空気で満たしているのか?
それはおそらく、知り尽くしているから。知り尽くされて、逃げらるコトすら叶わないので、満たされた中にいる感覚を味わうコトになる。
聖地はカレらのよりどころ。カレらがとても落ち着く、居心地の良い領域。
カレらというのは、先輩。あらゆる意味での、私たちの先輩。
それで、自分たちの傲慢も知り尽くされている。そこから逃れられないのも、当然の道理。
おそらく自分たちもいずれそこに行く。そして次世代からの、傲慢な後輩たちの、その傲慢さを静かに戒めるようになる。
聖地は何十年、何百年、ほとんど変わらない。人の住み散らかす、ゴチャゴチャ変わる環境とは、異質な領域。
それでいて、そこそこヒトの出入りもあり、落ち着く上に寂しくもない、ゆったり空間。それが聖地。
実際の所はどうなのか、それは正直分からないと言うしかない。ただ、そういう場所があっても良い。
傲慢な人びとが、ゴチャゴチャ変えない、何百年もほとんど変わらない、落ち着く場所。
聖地は、先輩たちのよりどころ。傲慢さを許さない、穏やかで厳しい異世界。