王者
王者は王者におぼれた段階で、転落を始める。
王者で居続けることは、王者と一番遠い苦悩の連続の道。
王者からは一瞬で転がり落ちる。敵も多い。
その中でいかに王者で居続けるか。
王者への欲求は、原始的な人間の欲求で、誰もが持つ。
それだけに共感できる。ただ、居続けることは、とてつもなく困難。
その日々は、あらゆるコトを駆使し、自分を酷使する道。
栄光の裏側に隠された、地獄。
実はこれが美しい。この日々の地獄を耐えしのいできたその姿が、とても美しい。
決して見えない。誰も見ない。ただ、確実にその地獄はある。
いや、実際には見え隠れする。誰も見ようとはしないが、見え隠れして出てくる。
その姿、無意識に感じて、うすうす感じて賞賛がある。
誰でも王者になれるわけではないが、それでも堪え忍んできた姿はとても美しい。
誰も評価しないが、そっちの方が美しい。
栄光の裏側の、本当の美しさ。