悪
ダレでも、悪にはなりたくはない。
なぜ自分の中の悪を、受け入れられないのだろう。受け入れるとどうなるんだろう。
悪になりたくないあまり、自分に嘘をつかないとイケナイ。見ないようにしないとイケナイ。
自分が悪であると受け入れると、歯止めが利かなくなる。
実際にやらなくても、悪の方向に進むと考えただけで、どこまでも堕ちていく気がしてしまう。
悪はすり鉢状で、一度堕ちるとどこまでも引きずり込まれる。みんなそれを恐れている。
行き着く先はとても残虐で、気の休まる事の無い殺戮の世界。考えたくもない恐怖があるだけ。
チカラを手に入れて、ヒトは他の生物の食べ物では無くなった。
ヒトは土地を奪い合い、ヒトを奪い合い君臨する。
あらゆるものが、チカラあるものの自由になる。その流れの中にいる。
弱き者ですら、リスク無く他の生物を、食べ物にしている。
ヒトは力を持って、見える残酷さは無くなった。でも、見えない残酷さの中はにいる。見えない悪にはなっているかもしれない。
すり鉢状に引きずり込まれる事は無いが、だらしなく見えない悪に染まっている。
見えないようにしているが、けっこう残酷な事をしている。無責任な残酷さ。
きっとダレかが悪い。そう思ってしまう無責任さ。でも、その誰かはまぎれも無く自分。
悪にはなりたくないが、思いたくもないが、実はりっぱに悪になっている。残虐になっている。
自分の見えない悪を見るようにしよう。もっと恐い事にならないうちに。